帽子の洗い方

 

麦わら帽子の洗い方

 

洗濯機で5分~10分帽子を洗った状態が下の写真です。写真を見て頂くと分るように、ペーパー等(茶・ベージュ帽子写真)は、相当の型崩れのダメージがあります。

▼相当の型崩れ
自然素材の天然麦わら帽子 自然素材の天然麦わら帽子
※画像クリックで拡大

 

▼麦わら素材は固さがあるので多少の変形状態
自然素材の天然麦わら帽子
※画像クリックで拡大

幾分麦わら素材は固さがあるので多少の変形状態ではありますが、やはり型は崩れてしまいます。

 

▼プラスチックの帽子の芯を入れ洗濯
自然素材の天然麦わら帽子

自然素材の天然麦わら帽子

※画像クリックで拡大

そこで、麦わら帽子にプラスチックの帽子の芯を入れ、洗濯ネット(今回は中折帽子なので50×34センチのネット)を使い洗濯機で10分洗った結果が、バケツの水で漱いだあとの左の写真です。
※ネットがあまり大きいと芯が外れます。
※リボンを取って洗うことをおすすめします。

 

▼帽子の芯はこのような形です。
自然素材の天然麦わら帽子

 

▼型を使わない場合と比較すると、こんなに違います。
自然素材の天然麦わら帽子

 

▼天然繊維の破損
自然素材の天然麦わら帽子
※画像クリックで拡大

麦わら帽子は洗濯機でも、芯を入れ型を整えれば、型崩れの予防になり、洗えない事もありません。しかし、天然繊維の破損は出てきます。天然繊維である麦わら帽子を洗う場合は、手洗いで軽く汚れの箇所を歯磨き等のブラシで擦ってから、水で漱ぐ程度ならダメージも少なくて済みます。

 

麦わら帽子の洗い方~麦わら帽子の洗濯について~

 

布帽子の洗い方
 

 布帽子も、洗濯表示を確認して可能な場合は手洗いできます。

 蛍光剤入りの洗剤を避け、おしゃれ着用の中性洗剤などを使います。内側部分など、汚れが目立つところは、洗剤をしみこませてからブラシで軽くこすり洗いします。

 表面の汚れは、診ずに適量の洗剤を溶かした洗濯液をスポンジに含ませ、軽くたたくようにして落とします。

 部分洗いを済ませたら、洗濯液に浸して振り洗いをし、水を替えながらすすぎ洗いをします。

 最後に、タオルで水分を取り除き、タオルを詰めたりザルにかぶせるなどして、帽子の形を整えて陰干しします。

 

帽子の種類と形

帽子の大きな分類は、英語ではハット(ツバの付いた帽子)とキャップ(ツバがなく、一部に庇がついている帽子)に分けられます。そのうち主なものの名前を紹介します。

 

ハット
クラウン(帽子の山)とブリム(帽子のふち)という2つの部分からできているかぶりものを一般にハットといいます。
アルペン
自然素材の天然麦わら帽子
クラウンの天井が平で、ブリムの後ろが上がった帽子。
ウェスタン(テンガロン)
自然素材の天然麦わら帽子
アメリカ西部のカウボーイの帽子
キャノチェ(仏語)
自然素材の天然麦わら帽子
英語ではボーダー。ボートを漕ぐ人の意味。日本語ではカンカン帽。
キャプリーヌ(仏語)
自然素材の天然麦わら帽子
ツバが広く、下がっている婦人帽子。英語ではキャプリン。
クローシュ(仏語)
自然素材の天然麦わら帽子
釣り鐘のような形で、ツバが下がっている。
サファリ
自然素材の天然麦わら帽子
アフリカのsafari狩猟旅行の時、かぶっていた。
シルクハット(トップハット)
自然素材の天然麦わら帽子
正装の際にかぶる絹製の帽子。現在ではフェルト製のものが主流。
セーラー
自然素材の天然麦わら帽子
ツバの反り返った帽子。米海軍の下士官がかぶったのが名前の由来。
チロル
自然素材の天然麦わら帽子
スイスのチロル地方で山岳警備隊がかぶっていた。
チューリップ
自然素材の天然麦わら帽子
ブルムが波打っている型が花のチューリップに似ている。
中折れ帽
自然素材の天然麦わら帽子
英語ではソフトハット。柔らかいフェルトで作られた紳士帽。
ブルトン
自然素材の天然麦わら帽子
前ブリムが上向きに折り返ったフランス・ブルターニュ地方の帽子。
ボーラー(山岳帽)
自然素材の天然麦わら帽子
イギリスの帽子屋ウィリアム・ボーラーが作った。別名ダービーハットともいう。
ポークパイ
自然素材の天然麦わら帽子
クラウンの天井が平らで周囲からへこませた形。ポークパイ型。
 

 

キャップ
基本的にはブリムがなく、クラウン(帽子の山)に庇がついているかぶりものである。形によってはブリムのついたものもキャップとよばれる場合がある。
アポロ
自然素材の天然麦わら帽子
つばと前部に刺しゅうのあるキャップ。アポロキャップは日本の呼称。
キャスケット
自然素材の天然麦わら帽子
ゆったり大きめのクラウンの前部にツバが付いたもの。
シコロ付き
自然素材の天然麦わら帽子
耳あて付き帽子。
ディアストーカー(鹿打ち帽)
自然素材の天然麦わら帽子
前部にブリムがあり、リボンで結び上げた耳あてがついている。
ジョッキー
自然素材の天然麦わら帽子
前ツバが広く、競馬の騎手の帽子に由来する。
バイザー
自然素材の天然麦わら帽子
太陽光を遮るためのクラウンのない前ツバだけの帽子。
ハンチング(鳥打ち帽)
自然素材の天然麦わら帽子
なだらかに前傾したクラウンと短い前びさしが特徴。
マリン
自然素材の天然麦わら帽子
船員帽。
野球帽
自然素材の天然麦わら帽子
アメリカでベースボールにかぶったのがはじまり。
ワーク(ドゴール)
自然素材の天然麦わら帽子
第二次世界大戦後のフランス大統領ドゴールがかぶっていた。
   

 

全日本帽子協会 『帽子のハンドブック』参照

帽子の素材

服地と同様、帽子には多種多様なものが材料として使われますが、そのうち主なものを紹介します。

 

フェルト
自然素材の天然麦わら帽子
フェルト帽体とは、獣毛の縮絨性を利用して、直接円錐型の帽子の型に作ったもの。大別すると、ウール(羊毛)とファー(兎毛)とがあります。水分と熱を加えて圧縮摩擦すると、互いに絡み合い縮絨します。金型または木型に入れて成型加工します。表面の仕上げ型によって、プレーン仕上げのほかベロア仕上げやアンテロープ仕上げ等があります。

 

布帛
服地と同様あらゆる繊維の布地が使用され、現在の帽子の最大の部分を占めている。表用記事として、綿、麻、毛、絹、合繊等の織物や編物、不織布などを使用し、通常頭部には裏地が入れられる。また、型を保つため芯地が使われる。

 

ブレード
自然素材の天然麦わら帽子
ブレードとは、真田(サナダ)ともいい、糸を編んで平らな帯状に組んだもの。これをミシンまたは手縫いで、木型に合わせながら渦巻き状に帽子の形に縫い上げて帽子にする。いろいろな繊維でできているが、代表的なものを列挙する。麦(麦の茎が材料。麦真田。Straw Braids)、ペーパー(セルローズコートした紙テープ。Paper Braids)、グログラン(横糸に太い糸を使用して両側に耳組織を作らない畝織リボン。Grosgrain Braids)。

 

天然草
夏の帽子の代表的な材料で、樹皮や木質内の繊維または草を原料とし、帽体用に一つずつ手で編んだもの。編み方に石目(平編)、アジロ編(綾編)、かぎ編(こま編)などがある。代表的なものを列挙する。
自然素材の天然麦わら帽子
①本パナマ

南米ペルー・コロンビア・エクアドル産のトキヤ(ヤシ科の木)の葉の繊維を編んだ最高級材料。最近、エクアドルでは世界無形伝統文化財に登録された。パナマの名称は産地の主たる集散地に由来する。

②シゾール(Sisal)

アフリカ産のサイザル麻の繊維を裂いて編んだもの。

③ラフィア

アフリカののマダガスカル産の草の繊維を編んだもの。

④ケンマ草

中国産の麻の一種 アフリカののマダガスカル産の草の繊維を編んだもの。

⑤バオ

アフリカ産のBao Bao という一種の巨木(パンヤの類)の茎を裂いて編んだといわれているが、現在では中国産の藤の類の繊維を編んだものが多い。

 

ニット
自然素材の天然麦わら帽子
羊毛、綿、麻、合繊などの素材を使って編んだもの。機械編みや手で編んだものがある。

 

皮革
様々な種類の皮がある。代表的なものを列挙する。
自然素材の天然麦わら帽子

もっとも一般的な原皮で、皮の表面に加工を施すことにより幅広い用途に使用されている。

牛の皮に比べると強度は劣るが、きめの細やかさや柔らかさは抜群。

鹿

日本の古代から愛用されている。軽くて丈夫な上、通気性がよいため広い用途で利用されている。

牛の皮に比べ摩擦に強く、柔らかくしたり固くしたりできる。スエード仕上げは人気が高い。

牛の皮に比べ厚みや強靭性でやや劣るが、原皮が大きく柔軟性では優れている。

斑紋や鱗模様を持つヘビ革はファッションには欠かせない素材のひとつ。

 

全日本帽子協会 『帽子のハンドブック』参照